高校生は無限大のパワーがあるんだ!と改めて実感しました。GTE2016は2泊3日。まる3日朝から夜遅くまでリーンキャンパスをチームで作り上げます。大人の場合で似ているのがスタートアップウィークエンドですね。スタートアップウィークエンドは金曜日の夕方から日曜の夜まで。

 

高校生は中間期末試験で個人で一夜漬けなどしたことはあっても、3日間この場で知り合った人と力を合わせてチームワークを発揮させてとことん、あーでもない、こーでもないと言いながら、リーンキャンパスを手元にビジネスモデルやプランについて話す機会を体験した人はこのGTE2016 では22名中2名だったので、ほぼ全員が初めての体験。

 

学ぶことも初めて、初めての人たちと、意見を出し合いながらアイデアを組み立てることの難しさ。時にチーム内で議論が白熱!白熱するだけでなく気まづい雰囲気になってしまうこともありました。チーム内で2つのアイデアが出てきてどちらも引かない。チームで2つのアイデアはできません。さてどうするか。徹底的になぜそのアイデアを述べ合いましたが、ここが大学生と高校生の違いかもしれません。

 

大学生は社会人化(ソーシャライズ)しているので、「妥協すべきところ」という教科書では学べない人間関係から身につける処世術が、高校生にはない。真正面から相手とぶつかる。ぶつかっても自分のアイデアの方が良いと言わんばかりの顔つきで、チーム内で話を聞いてくれる残りのチームメンバーに話しかけたり、自分のアイデアについてパワーポイントの資料を1枚作って、ビジュアルでチームメンバーに見せたり、あの手この手でチームが結束したかと思えば離れていきそうになったり、正直周りで見るスタッフの心はハラハラ。

 

あまりにチームで話がにつまっている時に、解決策となるヒントをみんなから引き出そうとスタッフの大人が入るべきか・・・。大人のビジネススタートアップのセミナーでグループワークを開催したことがありますが、その場合はこんなにグループ内で喧々諤々(けんけんがくがく)な雰囲気までなってしまうことはほとんどなく。もしそうだとしても、仲介に入ってその場を解決しようとスタッフは動きます。だけどこの GTEでは「彼らを見守ろう」。これがじゃストン先生からスタッフへのアドバイスでした。

 

「チーム内で解決しなければならない。チームなんだから」ジャストン先生、そりゃそうだ。「チームで乗り越えないといけない。」そうりゃそうだ。チームワーク、言葉通りチームでワーク(手を動かして体を動かして働く)するのだから、チームでとことんやるっきゃないのでした。

 

これもどうすれば良い方向に議論が進むチームか、もしチームがバラバラになっても、徹底的にやってみないことには、なぜチームがバラバラになったのか、が学べないだろうし、またこうしてチームが煮詰まり、気まずい雰囲気になった場合がやってくるのです。だから失敗しようがとにかくチーム内で答えを出すのです。

 

ちょっと話は違いますが、成人の大学発ベンチャーなど目指す社会人(平均年齢50歳あたり)で、チームが崩壊するという結果になることが正直多いです。例えばある行政が選んだ支援する対象となるスタートアップのチームが10あれば、5はチームがバラバラ、3は現状変化なし(つまりチームがビルディングしていない。いつもの二人、三人のまま)、2がチームができてくるという現実です。

 

もしその成人の大学発ベンチャーなど目指す社会人のチームメンバーももっと早い段階、例えば高校生(もっと前か?)からビジネスのアイデアをぶつけ合い、チーム内で意見を出し合い組み立てる経験値が高まっていれば、チームワークとは何かを肌で感じて身につけているから、チームバラバラの原因が解決するのではないか。大学の先生のアイデアが本当に世にニーズがあるのかという議論がチーム内でなかなかしない(先生の手前できないのか?)まま、ビジネスを組み立てようとするから、うまくいかない・・・そりゃそうか。

 

何れにしても、どんなスポーツでもチームワークを小さい時から学んでくるのに、ビジネスのチームワークは、実際働き出す社会人一歩手前まで学ぶ機会がない。だから、急にビジネスのチームビルディングと言われても、実行できない人が多いのは仕方のないことなのかもしれない。

 

でも仕方がないとは言ってられないのがこの現実社会。日本がビジネスのシーズ、技術のシーズがあると言ってもビジネス展開で世界のスタートアップに負けてしまうのは、もしかするとただ鍛えられていないから。鍛えられ始めることには、相手はチームビルディングを体得している。こりゃ、負けるはずだ。

 

GTEの目的は色々ありますが、これは単にビジネスの知識、英語が話せることだけではなく、目的を達成させる力を身につけることです。どんな状態でも、どんな不安定な要素がある状態でも、その場にある最大限の要素を組み合わせて、目的を達成させる。この GTEの高校生たちが、大学発ベンチャーにいつか育つ頃、企業の新事業を担う頃、チームビルディング力がきっちり身についていることを目指して、私たちも生徒たちはできる!と信じて暖かく見守りたいと思います。

 

 

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GTEイノベーションチャレンジ

高校生の英語とビジネスのサマーキャンプ

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